ここが聞きたい!名医にQ |解消!痔(じ)の悩み
2011年06月25日(土)放送
解消!痔(じ)の悩み
痔(じ)は「いぼ痔」「切れ痔」「痔ろう」の3種類
一口に痔といってもいろんな種類があります。痔の種類によって特徴が異なり「いぼ痔」は男女ともに多く、「切れ痔」は女性に多い、「痔ろう」は男性に多いのが特徴です。
いぼ痔
肛門には、便やガスの漏れを防ぐ「肛門クッション」と呼ばれる血管や筋繊維でできたやわらかい組織があります。排便のときに強くいきんだり、長時間いすに座ったりすると血流が悪くなったり、組織がちぎれたりして、肛門クッションが大きく膨らんできます。これが「いぼ痔」です。いぼが大きくなると、排便するときや力んだときに肛門の外に出るようになり、さらに進行すると常に肛門の外に出ている状態になります。いぼ痔の代表的な症状は排便時の出血で、便器が真っ赤に染まることもあります。
切れ痔
便秘などで硬くなった便が肛門を通過する際に肛門が切れることがあります。これが「切れ痔」です。切れ痔の代表的な症状は激しい痛みです。痛みを感じる肛門の皮膚の部分が切れるので、排便時に便にこすられて激しい痛みを伴います。痛みを感じると、肛門の周りの筋肉がけいれんを起こすことがあり、その場合は排便後もしばらく痛みます。
"十代のにきび治療"
痔ろう
肛門の腸と皮膚がつながっている部分を、その形から「歯状線」と呼びます。歯状線のくぼみの部分には、小さな穴が空いており、その穴に、便の中の大腸菌などの細菌が入ると、炎症を起こし膿のトンネルができることがあります。お尻に膿がたまった状態を「肛門周囲膿瘍(のうよう)」と呼び、膿がお尻の外に出て、残った膿のトンネルを「痔ろう」と呼びます。肛門周囲膿瘍の症状はお尻の腫れや痛みで、発熱を伴うこともあります。痔ろうになると、腫れなどの症状は治まりますが、膿によってお尻がべとついたり、下着が汚れたりします。
痔の検査
痔の疑いがある場合は肛門科を受診します。最近では女性の専門医も増え、以前に比べて受診しやすい環境が整っています。痔以外の病気が潜んでいることもあるので、気になる症状があれば自己判断せずに病院を受診しましょう。
問診 | 受診するとまず問診から行います。項目は、「出血の程度」や「いぼの脱出の程度」「かゆみや痛みの有無」「排便の習慣」などです。 |
肛門の |
問診の後は、実際に肛門の状態を確認するために肛門の診察を行います。一般的には、ベッドで横を向きお尻の部分だけズボンを下ろし、お尻の周りにタオルをかけて診察します。男性のなかには肛門の周りの筋肉が発達している方がいます。その場合は、肛門を診察しやすいようにひざをかかえる姿勢をとりますが、この場合もお尻の部分だけズボンを下ろします。肛門の診察では、滑りをよくするためのゼリーを指に塗り、肛門を触って確認したり、肛門鏡と呼ばれる器具などを使って肛門の中の状態を確認します。肛門の診察は2~3分で終わります。 |
痔の治療
ここで、足の痛みは腰痛ヘルニアから発生し
- いぼ痔の治療
症状が出血や痛みだけの場合は、坐(ざ)薬や軟こうを使った薬物療法を行います。いぼが肛門の外に脱出する場合は、薬物療法以外の治療法が選択されますが、最近ではメスで切り取る手術以外にも、ゴム輪を使っていぼを壊死させる方法や注射でいぼを硬く小さくする治療法など外来で行える治療もあり、患者さんの希望やいぼの状態により治療法を選択します。手術を行う場合でも以前に比べて術後の痛みも少なくなり、入院期間も3日~1週間程度です。 - 切れ痔の治療
症状が軽い場合は、坐(ざ)薬や軟こうを使った薬物療法を行います。肛門が狭い方は、何度も切れ痔を繰り返す場合があり、その場合は肛門を締めている括約筋に少しメスを入れて肛門が広がりやすくする手術を行います。2~3日の入院で行うことができます。 - 痔ろうの治療
膿がたまりお尻が腫れる肛門周囲膿瘍の場合は、メスでお尻を切開して膿を外に出す外来による治療を行います。痔ろうになった場合は、手術で膿のトンネルを取り除きます。手術には膿のトンネルを「切り開く方法」と「くり抜く方法」があり、トンネルのでき方によって選択されます。入院期間はどちらの方法も1週間程度です。
いぼ痔の手術を受けるタイミングは?
いぼ痔の場合、放置していても命に関わることはありません。手術のタイミングは、いぼの状態によって決めるのではなく、本人がどれほど不便を感じているかで決まります。排便の際にいぼが脱出しても排便後に肛門の中に押し戻して、いぼ痔と上手に付き合っている方もいらっしゃいます。ただし、排便後にいぼを押し戻したり、排便に時間がかかることをわずらわしく感じる場合は、手術を検討するとよいでしょう。
切れ痔を繰り返すと...
後頭部の骨の痛み
切れ痔を何度も繰り返すことで肛門の皮膚が伸びなくなり肛門が狭くなってしまう「肛門狭窄」を起こすことがあります。狭くなった肛門を便が通過するため、便は鉛筆くらいの細さになり、その場合、肛門を広げる手術を行うことになります。切れ痔は排便のたびに激しい痛みが伴うため、トイレを我慢しがちです。するとますます便秘がひどくなって便が硬くなり切れ痔になるという悪循環に陥りがちです。切れ痔を繰り返す場合は、早めに病院を受診しましょう。
痔によい生活習慣とは
痔の種類によって症状はさまざまですが、いずれも便秘や下痢が大きく関係しています。痔を悪化させないには便秘や下痢を防ぎ、肛門に負担に少ない生活を身につけることが大切です。
- 食物繊維をとる
便秘を解消するためには、1日20~25gの食物繊維が目標です。日本人の1日あたりの食物繊維の摂取量は約15gなので、少し足りない状態です。食物繊維が豊富な食品を意識してとるようにしましょう。また、主食を少しかえるだけで食物繊維をアップさせることができます。
例えば - 朝食をとる
胃の中に食べ物が入ると、その刺激で大腸が活発に動き便意がきます。朝はこの運動が最も強く現れますので、朝食をとることで規則的な排便習慣をつくることができます。朝は忙しいので朝食を抜いてしまいがちですが、朝食をとる時間とその後にくる便意を逃さないように早起きしてしっかり時間を作りましょう。どうしても時間がない場合は、冷たい水だけでも飲むようにしましょう。 - トイレは短く
トイレに長く座っていると、いきむことにつながります。排便にかける時間は、なるべく短くして目安は3分以内。多少の残便感があったとしても、トイレを出て次の便意がくるまで待ちましょう。 - 肛門を清潔に
便のなかには細菌が多くすんでおり、肛門を汚れたままにしていると、かゆみや炎症をおこす原因となります。湯船につかることで肛門が清潔になるだけでなく、お尻の血行がよくなり、いぼ痔の原因となるうっ血を防ぎます。
カラハシ未来研究所 「電気のパワーで排便コントロール」
機械とリード
加齢や出産、手術などで、括約筋や直腸・肛門の働きが悪くなると、便やガスがもれる便失禁をおこすことがあります。今までの便失禁の治療には、手術や薬、肛門の機能回復訓練などがありましたが、それで効果が出ない場合は、治すのが難しいという状況でした。そんな中、「仙骨神経刺激療法」とよばれる新しい治療法が欧米で注目されています。仙骨は、骨盤のあたりに位置する骨で、仙骨神経という神経が内側に伸びています。仙骨神経は、排尿や排便など排せつに関わる直腸や肛門の働きを制御しており、この治療は仙骨神経に電気の刺激を与えて、便失禁を軽減させようというものです。心臓のペースメーカーに似た小さな機械と電極を腰に埋め込み、神経を刺激します。機械からは弱い電気が常に流れていて直腸や肛門の� ��きを活性化させて便が漏れないようにコントロールします。国内ではまだ治験の段階ですが、海外のデータでは80%以上の患者さんに効果があったとの報告があり、近い将来国内でも便失禁の悩みを解決する有効な治療の選択肢になると専門医の間で期待されています。
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